晴れ渡る空の下に
どんよりとした雲
さきほどからぱらぱらと雨が降り
それがより一層僕を憂鬱にさせる
出口の見えないトンネルから
いつ晴れ渡った空の下に
飛び出せるのだろう
気持ちは循環する
時には崖から落ち
這い上がれないほど傷ついたり
時には舞い上がり
上機嫌すぎて周囲の人を傷つけてしまったり
そんな自分に戸惑いを覚える
自分の気持ちをコントロールすることの難しさ
相手の気持ちを思いやることの難しさに
胸が苦しくなることもある
それでも人は独りでは生きられない
皆に支えられて生きているのだ
生きている中で
つまずくことは数多くある
それでもその都度立ち上がり
その先を目指して人は歩き続ける
時には苦しくて投げ出しそうになることもがあっても
決してあきらめずに歩き続けるのだ
人生に無駄なことなど何一つない
つまずいてもつまずいても
その都度這い上がって
その先を目指して
ひたすらに
信じる道を歩き続けるのだ
晴れ渡る空の下
希望に満ちあふれた日々が訪れるように
そううつ病を抱えがら日々を生きる林田さんの詩集。
時々の思いを誠実に表そうという気持ちが伝わってきます。
前半はいろいろな物事に向かう豊かな感受性が、それゆえの
孤独感と背中合わせに表されています。繊細と傷つきやすさ
と、「言葉の若さ」が魅力になっていると思います。
後半では震災と旅を経過した詩が新たな展開を見せている
ようです。いわば点としての孤独が、繊細な触手を伸ばし、
物事や風景とのつながりを求め、実際につながり始めている
という感触があります。
最後に「共に」と題した長い詩で詩集は閉じられています
が、それは自分に対しての、読者に対しての共に歩む呼びか
けでもあるようです。
発行 コールサック社