風の廃屋



分からない灰が
心の一点に生まれ
沁みのように広がっていく
古い地図は破れて
教えてはくれない
中身のない絶叫と
無数の賛意に閉ざされて
ただ不確かな手触りだけ
心の傾きをわずかな導きにして
その一歩を踏み出す
私らは風の廃屋だ
確かなことは
遠い場所で蝕まれていた
はるかに遠い私の足元で
なにかの声が私を諭す
その蓋を開きなさい
その中を覗きなさい
その痛みにまみれなさい
良識の嘘と
むしろその暴力を疑いなさい
大切なのは
破れにこだわることだ
私らはどんな公約も通り抜けることができる
どんな「最後のお願い」も受け流すことができる
私らは風の廃屋だ
幾度も感染を繰り返し
微かな
目には見えない変異を重ねてきた
言葉を受け止めるのは言葉ではなく
むしろ心に沈む沈黙だ
言葉による沈黙の破れ
言葉の破綻をこそ風の進路とする
遠い場所で蝕まれている
生まれの場所へと