食(くら)ふべき自衛隊


JR神戸駅の広告掲示板に突如出現した
バックがブルーの大広告
キャッチフレーズは
「GO!GO!PEACE!」
モデルはモーニング娘。

バッチリ青年男子の心を掴(つか)んだね
スポンサーの防衛庁・自衛隊さん
大卒就職率は五十五%まで落ち込み
青年の十人に一人が失業者
四百十七万人の「フリーター」
来る日も 来る日も 来る日も 職探し
やっと見つけた派遣会社は
二週間ぶっ通しで仕事をしたあと
二ケ月間もの「自宅待機」
そして最後通牒!!

魂も奪われ職を求めてフラついていた青年は
巨大広告に青天からの一筋の閃光を見た
「ああ これで飯が食える」
(おお!神よ!!→変換→狼よ!!)[影の声]

街中のあちこちで モー娘。が微笑む
あちこちで青年達が振り返り
広告ポスターに“夢”を抱く

「GO!GO!PEACE!」
(平和のためのイラク派兵かな?)
「まあいいや、食べていけるのなら」
命と引き替えの
〈食ふべき自衛隊〉




 畑中さんとは「詩を朗読する詩人の会・風」のゲストとして詩を朗読されたときお会いしたことがあります。関西詩人協会でもご一緒させていただいています大阪詩人会議の詩誌「軸」の編集長を務めておられました。うつ病とつきあいながらの活動ですが、皮肉のきいた言葉の運びが特長的です。

 現在、世情は物価上昇や社会保障の切り捨てで、国民生活、家庭状況は経済的逼迫、それに来年四月からの消費税増税では庶民が泣かされることが目に見えています。若者の失業率も高く、雇用状態も不安定で生きづらい世の中です。「詩人は炭坑のカナリアであれ」との言葉が頭をかすめます。また、平和憲法改悪へと誘導する雰囲気が流されています。今年四十七歳になる私でも徴兵制への不安があります。若い人たちはなおさらでしょう。格差社会や戦争はもうやめようではありませんか。私たちは地球人なのですから。(あとがき))

詩集「資本主義万歳」 
                
           コールサック社 発行