…… イランの地に逃れてきたあるアフガン人の詩人が、イランを出る前、その感情をこ んな詩に託して去っていった。 私は歩いて来た、歩いてここを立ち去ろう 貯金箱を持たない異邦人は、ここを去るだろう 人形を持たない子どもは、ここを去るだろう 私の流浪の呪縛も今夜、とけるのだろう 空になった食布は、折りたたまれるだろう これが私だ、すべての地平を苦しみながら彷徨った これが私だ、私の姿を見た人は皆、去ってゆく私を見たのだ 自分のものではないものはすべて、置いて立ち去ろう 私は歩いて来た、歩いてここを立ち去ろう 「アフガニスタンの仏像は破壊されたのではない 恥辱のあまり崩れ落ちたのだ」モフセン・マフマルバフ著 より