あとがき
昨年の夏の号につづいて、再び、新日本文学6月号の編集作業に入っています。 やらなければならない作業がたくさんあるので、今号は、ちょっとやっつけ仕事 になってしまったかもしれません。 新日本文学6月号のテーマは「希望がもてる文化のために―詩と状況と―」と しました。あの「9・11」やそれ以降の戦争、そしてデフレ、リストラ等と、 希望のもてない状況の中で、詩は何でありうるのか、を考えてみようという意図 でした。外からの評論ではなく、詩が生み出される現場における視線で。 しかし、集まってきた原稿は、僕の意図にはおさまらないものばかり。状況と いう言葉の意味も、詩との関わりも、作者によって全然違う。とてもじゃないが、 これを特集としてまとめるのは手にあまるという印象でした。 しかし、考えるうちに、これはちょっと面白いんじゃないか、と思えてきまし た。このまとまりのつかない千差万別の中に、ある種の「希望」のようなものを 浮かび上がらせることは、できるのではないかと。 失敗を恐れず、という言葉を胸に。じゃあ。