あとがき

               すこし間があいてしまいましたが、お元気でしょうか。  久しぶりに詩集「単調な夜」を発行したので、いろいろとそのあとしまつ(ほとんど 徒労、と言ってもよいような作業)に追われていました。でも今回は僕の出版物にして はめずらしく、たくさんの人たちから好意的な感想をいただきました。残部は少ないで すが、よかったら読んでみて下さい。  さて、この間の出来事で、特筆すべきは、インドネシアでスハルト体制が打倒された こと。天安門の時のように、かたずをのんで、見ていました。日本、韓国、アジアの経 済危機は深化し、出口の見えない暗さの中で、新鮮でした。インドとパキスタンがあい ついで核実験を行い、エチオピアとエリトリアでは、かつての解放戦線どうしが戦争を 始めた。正しさやあるべきことが断片化し、モザイクのように入り組んでいる現在。出 口を見つけられないまま、疲労だけをため込んでいる、という気がする。  自己紹介で、モットーを尋ねられて、僕は書いた、 「自分の価値観だけで、物事を決めつけたり、判断したりしないこと。世の中は、もう 少し、広く、深い」               じゃ、また。

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