あとがき

 この夏、一週間ほど、ネパールのカトマンズに行ってきました。  もう十年ぐらいも前に、友人が行ってきたということを聞いて、いつかは、と 思っていたのですが、ようやく実現しました。  ネパールと言えば、ヒマラヤ・トレッキングなのですが、八月半ばはちょうど 雨期ということで、ヒマラヤは見られず、日本の梅雨のような天気が続きました。 でも、旧市街地の中世のような街並みや、郊外のスワヤンブナート寺院への散歩 は、なかなかのものでした。逆に、たまに天気の良い日があると、盆地だという こともあって、軽三輪タクシーの排気ガスや埃がすごいのです。  一緒に行ったモリタクミコは、暑さと埃と疲れのために、最後の日には熱を出 して寝込んでしまいました。夢とうつつの境目で、彼女は「目」が何か言ってい たと、あとから言いました。 「目」とは、スワヤンブナート寺院やボダナート寺院の仏さまの「目」のことで、 カトマンズのシンボルでもあります。  帰ってきた日本は、見守ってくれる「目」のない場所で、漂流しているという 印象です。「目」と自由のこと、考えています。                          じゃ、また。

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