遠い彼岸
戸次公正
ふせ・じかい・にんにく・
しょうじん・ぜんじょう・ちえ
六はらみつは六度の行
悩みの河に漕ぎだして
さとりの岸に渡るため
布施・持戒・忍辱
精進・禅定・智恵
六波羅密は六度の行
迷いの海を越えながら
さとりの彼岸に到る道
惜しみなく与えよ
誓いと けじめを持って
何ごとにもよく耐えよ
そうせずにおれぬことをひたすらに
身と心のバランスとって
真理をたずねて生きてゆけ
それは答えというよりも
わたしにとっていうならば
それはおそらく問いのこと
捨てることができますか
誓いはどこにおいてきた
耐えられないほど立ってるのか
どこまで本気になってるの
言ってることとやることが、
ちがいすぎるのではないか
嘘かまことかそのことが、
利害損得 善し悪しを、
越えてほんとに気になるのか
果てしのない問いおしせまる
悩みの河に流されて
迷いの海におぼれてる
おまえにとってのこだわりは
どこにあるのかと声がする
ふせ・じかい・にんにく・
しょうじん・ぜんじょう・ちえ
六はらみつは六度の行
ここで何とかなるだろと
腰おろしてるわたくしに
彼岸の遠さを気づかせる
*法蔵魂259号より 泉大津市神明町6−15、南冥寺
1996年10月号より
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