円 寿崎登美子 最初は 小さな 円 いえ 凝り固まった 小さな点でしか なかったかもしれない 結婚して それは 二倍の大きさに ふくらんだ 子どもが 生まれるたびに 波紋が広がるように 円は広がり 幾重にも 重なって 包みこむ 球となっていった 波紋も 打上げ花火も 最大になった時が 消える時 わたしも 限りなく 成長しつづけて やさしい雨のように 地球を包み 雨が上がるように 静かに 死んでいこう 八木重苦の「雨」より拝借