一粒の涙 南修治 悲しみは一粒の 小さな種になり まぶたから明日のために 蒔かれていくのです 大きな悲しみの時は 泉のようにあふれて 乾いた心の中を 潤していきます 春になれば芽を出して この地上をおおうでしょう 悲しみは、その形を もうとどめなくなります 涙を流すほどの 悲しみがあるから 喜びの花がここに 咲いていくのです