僕は、耐えている。
   何をということもなく、
   なんのためにということもなく、
   いわば、耐えている。
   毎日を、ただ耐えている。
   幸せを、耐えている。
   豊かさを、貧しさを、耐えている。
   孤独を、人間関係を、耐えている。
   そしてたんたんと、耐えている。
   現れては消える欲望と、夢の断層を
   僕は、耐えている。
   一九九六年八月二二日午後九時一四分○四秒
   この一瞬を、耐えている。


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