格子なき牢獄 敗戦 ― その時僕は小学生だった          加瀬 勉 著

 戦争と敗戦。天皇制絶対主義国家の崩壊と戦後民主主義国家の出現。混乱と飢え の中での教育の混乱。今、豊かなる中での貧しさ。管理社会での中の教育の混乱。 すべての政党が体制内与党化して翼賛体制の進む中で、日の丸・君が代、軍事的日 米ガイドライン、盗聴法等々の法的制定。有事立法、憲法改正の動向と、二十一世 紀に向けて日本は容易ならざる暗い方向に進んでいっている。  戦争体験者はその悲惨な体験を声を大にして叫ばなければならない。戦争と飢え を知らない飽食の中で育った世代は、「重たい悲惨な戦争の歴史の事実」がそこに あったのだと、真撃に向き合ってほしいと心から願っている。  「なまじしゃべるならしゃべらぬほうがよい。深き沈黙こそ時には権力を恐怖さ せるのだ」−だが、戦争で多くの者が死んでいき深き沈黙をしている以上、生きて いる我々の沈黙は許されないのだ、と私は思っています。  権力の戦争政策に、人権抑圧政策に「否」と声をあげ、自分の歩幅で行動を起こ し、権力の前に、その政策に立ちはだかることを、私たちを取り巻く社会的、歴史 的状況は要求しているのではないでしょうか。「格子なき牢獄」は「否」という私 の声であり、全国の皆さんに対する私からの呼びかけでありメッセージであります。   人民新聞ブックレット 800円     発行 人民新聞出版部 大阪市港区港晴3-3-18-2F

*長く三里塚空港反対の闘いに関わってこられた加瀬さんの戦中・戦後の自伝です。

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