無名戦士のうた

花壇や花園には 匂いもないし、美しさもありません 前には聞かれた美しい鳥たちの さえずりも、もう聞こえません もう花はみられないし、 綺麗な野生の花が咲いていた砂漠にも もう花はありません 背が高く伸びていた松の木は腰のあたりから折れ 湖から流れていた清らかな美しい水もありません 残酷な爆撃で、モスクの傍らで座って思索にふけっていた人の姿もありません 秀麗な柳の冷たい影の下にも その水の流れの音はありません 祝いの盃にお酒を入れることももうありません      * 毎日の爆撃で、人が命を 失わない日はありません そして人びとが地雷で、自分の手足を 失わない日もありません 残酷な火が村を焼きつくさない日もありません 親を亡くした子どもたちの泣き声が 聞こえない日もありません 心が二つに割れず、自分の家族から犠牲者をださなかった 日をすごしたこともありません 国の砂漠のあちこちは シャヒードのお墓の上につけられた ロウソクの灯りでいっぱいです 秋がいまほど、犠牲者の血で紅く 染められていることはありません 歴史の本は戦いについてたくさん書いてはいるけれど 書かれていないこともたくさんあります この貧しい人々のためには 神が力を貸して勝利をものにするしかありません お−い、戦士たちよ、 バラバラになっている戦士たちよ 努力してまとまって下さい 結果は貴方たちのものなのだから                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                              ′        (シャモリーの戦闘に出撃したカリルが最後に残した詩)               

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