私は人間の運命を探している。 地球の表面に おびただしい道の化石を残して死に絶える 人間という生物と、その国家。 道という道が破壊に通じていた。 木を、緑を、土をはぎとり、 あとに裸の岩と砂を残すことが、 人間のつくる道の仕事だった。 私は鳥のことを考えている。 軽い柔らかい羽毛につつまれて空を飛ぶ 彼らは、 道を持たない。 鳥が恐竜の子孫であるというのなら、 人間もまた絶滅する前に 鳥に変わることができる。 今がその時だ。 この時代がその時だろう。 一九九八年一月一日 水星舎・県内出版 芳賀清一