私は人間の運命を探している。
	地球の表面に
	おびただしい道の化石を残して死に絶える
	人間という生物と、その国家。
	道という道が破壊に通じていた。
	木を、緑を、土をはぎとり、
	あとに裸の岩と砂を残すことが、
	人間のつくる道の仕事だった。


	私は鳥のことを考えている。
	軽い柔らかい羽毛につつまれて空を飛ぶ
	彼らは、
	道を持たない。
	鳥が恐竜の子孫であるというのなら、
	人間もまた絶滅する前に
	鳥に変わることができる。


	今がその時だ。
	この時代がその時だろう。

	  一九九八年一月一日
	    水星舎・県内出版  芳賀清一	

*弘前で詩の出版やエスペラント、反核燃の運動など続けておられる水星舎からの年賀詩です。
 青森県弘前市富田3-6-13

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