七夕の夜の夢 石村勇二
地球は きょうも雨だった 七夕の夜だというのに 星ひとつ見えない 失業率がさらに増えて どこかの国が また空爆されたりして 電気代 ガス代 水道代 食費に家賃 僕は君を守ってあげたい 愛だけでは生きていけない 人間社会のことを思うと 暗い妄想がまた激しくなる タバコ代を節約して プレゼントした バザーのペンダントを 君は今も大切に 胸に温めてくれている 地上からは 星ひとつ見えなくても 雲を突き抜けた向こう ほら 星が輝いている 祝福の声が聞こえ 君にも 僕にも 川に橋がかかっているのが 見える