東海道本線
                         玉野井徹



品川から川崎まで たった一駅
久しぶりに東海道線に乗った

しゃがみこんで見上げている少年のような心持ちで こうしていつも電車に揺られていたような気がする

気がつけば58才になっていて 
少年どころか回りのサラリーマンの殆どが年下だと気づく

それでも心は少年のまま ドアに手をついて 
電車は多摩川を渡り もう川崎だ
夕陽が赤く眩しい