詩集「二〇一二年の仮歩道から」

非表示の

葉桜の頃に

春風は

ダンボールの空に

僕は寄る辺がない

僕のいない所で

猪鍋の夜

八尾南(やおみなみ)

と、

サトシは交信している

桜舞う春の

日曜の朝

君のいない夜

降り向けば

場の日没に

見ることは

渡しそびれた伝言の

君が眠りの淵を辿るとき

行政代執行

八月には死が

君の理由を携えて

六月の雨に

めまい

二〇一一年三月の

     「あとがき」より          
 
カンパ:600円
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