詩集「ダンボールの空に」


非表示の

春風は

ダンボールの空に

僕は寄る辺がない

僕のいない所で

猪鍋の夜

私の中の遠いところで

場の日没に

と、

桜舞う春の

踏み切りに人影はなく

君のいない夜

寝苦しい夜

降り向けば

見ることは

君が眠りの淵を辿るとき

山すその畑にて

行政代執行

雨の朝

君の理由を携えて

六月の雨に