![]() |
二〇一四年のいま 沈黙の証言に 背中合わせで寝ていると 理由のない午後に とも綱をほどいて * 君が残したものは メルトダウンのあとに 三・一一 突然の雨 あなたを忘れないために 降り始めた雨 * いつのまにか雨が 参道に人影はなく 思いが心に泊まるとき 報道は雨に濡れ 真新しい晒しにくるまれたお骨は * タチソ坑道の奥 デイゴの花が咲いていた ダハズ農園にて 八九六四 表現の不自由展・その後 * 路線バスを待つあいだ 長い午後 八月の櫓 あんたの言い方はまるで * 知ることは僕らの根っこ 九条の樹 がなの用法・用量について |
……コロナに関わる詩を書きながら、ふと、それ以前の詩を荷造りしなければと思い立ったのが、昨年の秋ごろ。合間合間に、書き散らした詩を集めて、いろいろと並べ、並べ替えては荷造りをしていった。最後に出した詩集は『二〇一二年の仮歩道から』と題したもので、あれから一〇年近くになってしまった。その間、身辺がごたごたしたこともあって、詩作を着実に継続するというわけにはいかなかったが、それなりに集まっている。東日本大震災後、しばらくしてから二〇一九年ごろまでの作品。葬りたいというような気がするものもあるが、ほぼ手を加えずに掲載した。取り繕っても仕方がないとも思った。詩集は詩の墓のようなものかもしれないとも思う。 (あとがきより 2021年1月)) |
カンパ:1000円 お申し込みは送信フォームにてお願いします。 郵便振替を同封してお送りします。 |
![]() |